図書館を知る
多くの方に興味を持っていただけるように、図書館を紹介します。
花巻南高等学校のみなさんと行った意見交換会の内容をお知らせします
令和4年2月22日、花巻南高等学校にて意見交換を開催し、図書委員会と文芸部のみなさん21名にご参加いただきました。
この日は、4つの班に分かれて「新しい図書館でやりたいこと」というテーマで自由にアイディアや意見を出していただいた後、出された意見やアイディアの中から特に取り上げたいものを選び、必要な機能等についてさらに深く掘り下げていただきました。たくさんのご意見をお寄せいただき、ありがとうございました。
いただいたアイディアやご意見等はどのように新花巻図書館整備基本計画へ反映させるか、検討会議で議論を行いながら、引き続き整理を行っていきます。
集まったアイディアやご意見は次のとおりです。
集まったご意見
画像をクリックすると拡大して表示します。
集計結果
いただいたご意見224件を内容によって「家具」「企画・イベント」「空間」「建築」「サービス」「施設の併設」「資料」「設備」「場所」の10項目に分類し、その数を集計しました。その結果、「空間」に関するご意見が78件と一番多く、次いで「サービス」「資料」がそれぞれ36件集まりました。
また、ご意見を可視化するため、テキストマイニング(注1)ツール「UserLocal テキストマイニング」を用いて、AIによっていただいたご意見からワードクラウドを作成しました。
このワードクラウドは、集まったご意見の文章のなかで出現回数が多かった単語を大きく表示しています。「欲しい」「読む」「スペース」「本」が特に大きく表示されていることから、今回の参加者のみなさんは新花巻図書館の空間、資料に対して特に期待を寄せていることがわかりました。
(注1)テキストマイニング:文章を対象としたデータマイニング。ソーシャルメディアやウェブ上の口コミなどの大量の文字情報を自然言語処理などで分析し、有用な情報を抽出する技術を指す。(テキストマイニングとは – コトバンク)
各班で集まったご意見
1班
この班では、「図書館で一日中勉強がしたい」という意見が特に重要なテーマに選ばれました。
これを実現するために必要なサービスや設備として、「問題集がほしい」「照明のある仕切ったスペース」「カフェ以外の休めるスペース」「会議室みたいな話せるスペース」「部活が終わってからも行ける時間」「電車の待ち時間に使える」「カフェで買ったものを個室に持ち込める」「カフェでも本が読める」などのアイディアが寄せられました。
2班
この班では、「騒げるところ」や「遊べるスペース」が欲しいという意見から、特に重要なテーマとして「自由に騒ぐ」を設定し、そのために新しい図書館に欲しいものの順位をつけました。
話し合いの結果、1位は「映画」、2位は「音楽」、3位は「Wi-Fi」になりました。
また、順位はつきませんでしたが、自由に騒ぐために欲しいものとして「マンガ」「ソファー」「広い空間」「飲食スペース」「防音室」「バレーやバドミントン、卓球などのスポーツができる」などの意見も寄せられました。
3班
この班では、「静かな空間とにぎやかな空間を区切りたい」という意見から、特に欲しい空間として「カフェ」が取り上げられました。
カフェの特徴として、仕切りのない空間、ココアやミルクティー、定食やケーキが提供される等が挙げられました。
また、「いろいろな空間で読書がしたい」「雰囲気が違う場所で読書・学習がしたい」という意見も取り上げられました。
具体的な案として、「秘密基地」「展望台」などのにぎやかに使うスペースや「半地下」「天文台」などの静かに使うスペースが挙げられました。
4班
この班では、重要なテーマとして「入ってみたくなるような外観」が選ばれました。
例として、「ガラス張り」「隠れ家のような」「『ハリーポッター』のような」などのアイディアが集まりました。
また、「読んで良かった本を買いたい」という意見から、書店の併設についても話し合われました。
結果として、「マンガやDVDを取り扱っている」「販売のほかレンタルも行っている」などのアイディアが寄せられました。
集まったご意見については、次の添付ファイルをご覧ください。
220222_花巻南高校ワークショップまとめ(PDFファイル)
地域の図書館に関するアンケート
意見交換会を開催するにあたり、花巻南高等学校で1・2年生を対象に事前に行ったアンケート結果の提供を受けました。花巻南高等学校から公開の許可をいただきましたので、併せて公開いたします。
集計結果
このアンケート調査では、348件の回答を得ることができました。
「あなたは地域の図書館を利用しますか」という設問に対して「よく利用する」「たまに利用する」と回答した人は合わせて16.9%でした。
ここから、花巻南高校の1・2年生で公共図書館を利用する人は少ないことがわかりました。
さらに、地域の図書館を「よく利用する」「たまに利用する」と回答した人の利用目的を尋ねる設問では、「好きな本を借りるため」が32.4%と一番多く、次点の「学習をするため」は31.4%を占めました。
また、地域の図書館を「あまり利用しない」「利用したことがない」と回答した人は合わせて81.7%でしたが、利用しない理由としては、「家から遠い・行きづらい場所にある」が41.9%と一番多く、次いで「図書館に興味がない」が24.4%、「借りたい本がない」が20.8%を占めました。
「新花巻図書館にどんな希望がありますか」という自由記述式の設問では、261件の回答が集まりました。
その回答を内容によって「家具」「企画・イベント」「空間」「建築」「サービス」「施設の併設」「資料」「設備」「場所」の10項目に分類し、その数を集計しました。
その結果、「空間」に関する回答が133件と一番多く、次いで「資料」が42件、「サービス」31件が集まりました。
また、回答を可視化するため、テキストマイニングツール「UserLocal テキストマイニング」を用い、AIによってワードクラウドと共起ネットワーク図を作成しました。
ワードクラウドは、集まった回答の文章のなかで出現回数が多かった単語を大きく表示しています。
「欲しい」「スペース」が特に大きく表示されていることから、意見交換会と同じく、特に空間に対して期待を寄せていることがわかりました。
また、「欲しい」「スペース」以外に、「できる」「学習」「カフェ」「図書館」「本」「近い」「広い」「勉強」「多い」「増やす」「良い」も比較的大きく表示されています。
ここから、学習を目的に図書館を使いたいというニーズや、図書館の広さや多機能さ、資料の豊富さ、カフェ併設などへの期待を読み取ることができました。
共起ネットワーク図は、出現した単語同士の結びつきを可視化するもので、単語同士の結びつきが強い(同じ文章に含まれることが多い)ものほど太い線で結ばれています。
特に太い線で結ばれているのは「涼しい」と「あったかい」、「堅い」と「入りやすい」と「すぎる」、「閉館」と「遅い」でした。
館内を適温に保つことや入りやすい雰囲気、開館時間を延ばすことが望まれていることがわかりました。
地域の図書館に関するアンケート集計結果の詳細については、以下の添付ファイルをご覧ください。