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2022/9/30

【花巻図書館コラム・第1回】図書館を楽しもう!館内探検ツアー 〜2階・カウンター奥の書庫編〜

 

新しい図書館の実現に向けて、花巻市ではさまざまな活動を行っています。
今の図書館も、未来の図書館も、より多くの方に親しんでもらえるように、ちょっとした写真と文で、本や図書館にまつわるお話を紹介していきます。

 


 

花巻図書館外観

 

日頃から花巻市民をはじめ、多くの方々に親しまれている花巻図書館。
3階建ての建物の中には、本の分類によってさまざまなコーナーや部屋が設けられています。
ですが、全ての部屋に入ったことがあるという方はそう多くはないと思います。

そこで、花巻図書館館内を深掘りする特集『図書館を楽しもう!館内探検ツアー』を全3回にわたってお届けします!
取り上げるのは、一般の利用者でも入ることのできる「2階・カウンター奥の書庫」「3階・郷土資料室」「3階・新聞資料室」。
(「3階・郷土資料室」「3階・新聞資料室」の利用については、2階カウンターへの申請が必要です)
取材にあたって、各部屋の見どころを余さず紹介するために、花巻図書館司書の片島 博子(かたしま ひろこ)さんに協力してもらいました。

 

花巻図書館司書の片島博子さん

館内を案内してくれた花巻図書館司書の片島博子さん

 

片島さんは、子ども向けのおはなし会やブックスタート事業といった、子ども、親子向けのサービスを担当しているとのこと。
もちろん図書館全体についても目を配られていて、図書館の活動やそれぞれの部屋の魅力についてたっぷり聞かせてくれました。

では、隠れた見どころ満載の館内探検ツアーへ出発です!

 

まるで「本の森」な書庫を探検

 

書庫入口

案内表示が掲げられた「2階・カウンター奥の書庫」出入口

 

最初に案内してもらったのは「2階・カウンター奥の書庫」。
貸し出しやレファレンスなどの窓口となっている2階カウンターの後ろに見える、少し奥まった出入口から入ることができます。
「バックヤードの出入口」と言われても納得してしまいそうな場所ですが、いざ足を踏み入れると……。

 

書庫1階

出入口から見た書庫1階の様子

 

あふれんばかりの本、本、本!
閲覧室とは空間が仕切られているこの場所は、開館当初は閉架書庫(=一般の利用者は入れないエリア)だったそうですが……。

 

片島さん「この書庫には、主に閲覧室からあふれたものや、貸し出し用に複数冊あるものなどが所蔵されています。
閲覧室の開架部分が狭く本が入りきらなくなり、書庫の本も見たいという声があったため、以前から書庫の1階部分は開放していました。
しかし、市民ワークショップでの『書庫に行きやすい図書館にしてほしい』という意見を受けて、書庫の場所がより利用者のみなさんに分かりやすく、利用しやすくなるように、表示等を増やし声がけもしながら案内しています」

 

館内でのアピール強化のきっかけになったのが、新花巻図書館をつくるための市民ワークショップで寄せられた声。
ほかにも花巻図書館では、今の図書館でどんなことができるか検討し、よりみなさんが使いたくなるような図書館を目指して改善が重ねられています。

 

市民ワークショップ「みんなではなそうみらいの図書館」についてはこちら

 

片島さん「出入口が狭いため、入る時にはカウンターへひと声かけてお入りくださいね」

 

出入口から入ってすぐの1階部分と、内階段を上がった2階部分があるこの書庫。
片島さんに続いて書庫1階部分のさらに中まで進んでみると、天井まで届きそうな本棚は、さまざまな本や資料、CDなどでいっぱい!
図書館によく使われる「本の森」という言葉が表す通りの、圧倒的な光景です。
絵本や児童書の種類も豊富で、閲覧室以上のラインナップに驚かされます。

 

片島さん「本棚が高く万が一の危険もあるため、特に子どもたちには『読みたい本が見つかったらすぐ出てきてね』と声掛けをします。
待ちきれずにその場で読み出してしまい、なかなか出てこない子もいますが……(笑)」

 

ぎっしりと並べられた本の中から気になる一冊を探し出す体験は、まるで宝探しのよう。
子どもだけでなく、大人も夢中になれること間違いなしです。
絵本が集められている一角には、読み聞かせ用の大型絵本がずらり。
中には大人の上半身ほどの大きさのしかけ絵本もありました。

 

片島さん「読み聞かせなどを行っているボランティアの方には、申請していただければ貸し出しも可能です。
迫力があるので、子どもたちにも人気なんですよ」

 

大型絵本

しかけ絵本『パパ、お月さまとって!』(作:エリック・カール 訳:もりひさし 発行:偕成社)の、読み聞かせ用の大型絵本 通常サイズのものや人の体の大きさと比べると、ひと目で分かるサイズ感

 

また、取材をする中で図書館名や学校名が書かれた入れ物が目に留まりました。

 

片島さん「市内の他の図書館(大迫図書館、石鳥谷図書館、東和図書館)から取り寄せたものや、学校図書館、福祉施設へ貸し出しを行う本を準備しています。
移動図書館車も運行しているので、そこでリクエストしていただければ次の運行日にお届けすることが可能です」

 

各図書館ならではの蔵書もあるため、取り寄せを利用して楽しんでみるのもおすすめ

 

図書館は「そこに行かなければ本が借りられない」というイメージがありませんか?
しかし実際はそうではなく、図書館間での本の取り寄せや移動図書館車の運行など、より借りやすく、より気軽に本を手に取れるような仕組みも用意されていました。
図書館の本は、館内から飛び出して、意外とさまざまなところに動いているんですね。

 

歴史ある図書館ならではの蔵書の豊富さ

 

書庫内階段

出入口の正面にある階段から、一般には開放されていない書庫2階へ

 

続いて向かったのは、書庫の内階段を上がった2階部分。
普段は閉架書庫となっており、一般の利用者は入れないのですが、今回特別に案内してもらいました。

 

片島さん「上の階には、雑誌や自治体の広報誌、文学賞受賞作品、学校の課題図書、郷土の貴重本などが所蔵されています。
歴史ある図書館なだけあって、他ではなかなか残っていないような古い資料もあります」

 

一般に開放されている書庫1階と同様に、書庫2階も床から天井まで本づくし。
比べてみると、確かにいかにも古そうな本があちこちに見られました。

 

書庫2階

歴史を感じる背表紙が並んでいて、重厚感たっぷりの本棚

 

片島さん「劣化が進んでいる本は、地震による落下などで傷ついたり壊れたりしてしまいます。
そういったものは順番に修理して、貴重な資料として今後に引き継いでいけるように大切に保管します」

 

花巻市の図書館として、過去の市の様子が分かる貴重な資料が保管されているのも見どころ。
郷土の資料では、昭和24年発行『花巻町勢要覧』や大正14年発行『花巻地方案内』なども所蔵されていて、『花巻地方案内』には温泉の観光案内まで載っているのだとか。

 

片島さん「古い郷土の資料は、貸し出しはできませんが、いつでも閲覧は可能です。
お気軽に図書館職員までお声がけくださいね」

 

 

より多くの本に触れたい、本棚の隙間を探検したい、図書館でもっとワクワクしたい。
そんな方におすすめな「2階・カウンター奥の書庫」を紹介しました。

なお、書庫へ入る際にはカウンターにひと声かけ、足元や頭上に気をつけて利用してください。
また、内階段を上った書庫2階は利用できないため、注意してくださいね。
ぜひみなさんも、花巻図書館内の「本の森」を活用してみましょう!

 

館内探検ツアー第2回は「3階・郷土資料室」を、第3回は「3階・新聞資料室」を紹介します。

【第2回】図書館を楽しもう!館内探検ツアー 〜3階・郷土資料室編〜はこちら

【第3回】図書館を楽しもう!館内探検ツアー 〜3階・新聞資料室編〜はこちら

 


 

おすすめ本紹介コーナー【ぼくの・わたしの読んだ本】

 

花巻図書館にかかわるみなさんに、おすすめの本を紹介してもらいました!

 

●紹介テーマ:この夏に読んだ本
●紹介してくれた人:片島博子さん(花巻図書館司書)

 

プロジェクト・ヘイル・メアリー

『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上・下』

 

著/文:アンディ・ウィアー 翻訳:小野田 和子
発行:早川書房

 

●あらすじ
未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント

(出典:版元ドットコム. “プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 アンディ・ウィアー(著/文) – 早川書房 | 版元ドットコム”. 版元ドットコム. 2021.12.13. https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152100702)

 

●おすすめポイント
子どもの頃からSFが好きな自分の心を沸き立たせてくれた一冊。
科学が進歩した近年のSF作品は、厳しい現実を突きつけてくるものも多いように感じていました。
そんな中で、このお話は昔の自分が心を躍らせていたような、宇宙に対する希望を持たせてくれるようなもので、読みながらとても嬉しくなりました。
「この理屈、この技術なら将来絶対実現できる!」と思わずにはいられないリアリティにとにかくワクワクします。
どんどん続きが読みたくなる、SF好きにおすすめの作品です。

 

 

せかいいち うつくしい ぼくの村

『せかいいち うつくしい ぼくの村』

作/絵:小林 豊
発行:ポプラ社

 

●あらすじ
きょう、ヤモははじめてとうさんとまちへいく。ロバのポンパーもいっしょだ。いちばですももやさくらんぼをうるのだ。

(出典:版元ドットコム.  “せかいいちうつくしいぼくの村 小林 豊(著) – ポプラ社 | 版元ドットコム”. 版元ドットコム. 2018.4.23. https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784591041901)

 

●おすすめポイント
小学生以上の子どもによく読み聞かせをする絵本です。
村の穏やかで微笑ましい一日が静かに描かれていくストーリーで、「戦争」という言葉は一度も出てきませんが、最後の1ページにとても重いひと文があります。
日常の大切さを伝えたいほか、結末を知って感じた気持ちに向き合ってほしい、という思いも込めておすすめします。

 

今回紹介した本は花巻図書館にて貸出しています。
以下のリンクから検索や予約ができるので、気になる本はぜひチェックしてみてください!

花巻市立図書館 (apsel.jp)