図書館はどこにあるといいの?
多くの人に使ってもらえる場所や空間。
市民のみなさんのご意見を大切に検討しました。
建設候補地に関する
市の考え方
市では、建設候補地を選定するための判断材料とすることを目的に、市民間の対話による市民会議を開催しました。
市は市民会議の結果を踏まえて、JR花巻駅前を建設候補地として選定しました。
市民会議とは
市民間の対話を通じて意見を可視化・整理
新花巻図書館の建設候補地について、比較調査結果(※)などを見ながら、市民の皆さんが考えていることを対話を通じて共有し、それらの意見を可視化・整理することで、市が建設候補地を選定するための判断材料とすることを目的として開催した「市民会議」。参加者は、無作為に抽出した15歳以上の市民3,500人に案内を送付し、そのうち参加を申し込んだ75人です。
会議では、慶応義塾大学大学院の山口覚特任教授をメインファシリテーター(話の促進役)に迎え、世代別に参加者を11グループに分けて、対話による意見交換などを行いました。第4回の会議の最後には、参加者個人の考えをヒアリングシートに記入して提出いただきました。
※建設候補地の「総合花巻病院跡地」と「JR花巻駅前」を比較検討するために、整備事業費の調査や建設イメージ図を専門業者に委託して作成した報告書




市民会議の概要
期日 | 内容 | 参加者 |
第1回 11月17日(日) |
比較調査結果などについて参加者へ説明したのち、候補地ごとのメリットとデメリットを全員で対話しながらまとめました | 65人 |
第2回 12月21日(土) |
第1回でまとめたメリットとデメリットに不足がないか確認、修正をしました。また、希望者で建設候補地周辺を歩いて確認しました | 64人 |
第3回 1月26日(日) |
候補地ごとのデメリットに対する解決策を考え、これまでの対話を踏まえて参加者自身がどう思うか話し合いました | 57人 |
第4回 2月15日(土) |
第3回までの対話を経て、参加者自身の思いなどを話し合い、最後に自分の考えを用紙に書いていただきました | 53人 |
※4回全てに参加したのは42人、3回参加したのは19人、2回参加したのは6人、1回参加したのは2人
ヒアリングシートで参加者の考えを確認
二つの建設候補地について10の分類ごとに考察
ヒアリングシートには、参加者の皆さんの意見を分類した「10の分類」で、どちらの建設候補地がよいか、整備に当たってはどの分類が重要かを記入いただきました。なお、ヒアリングシートは第4回会議参加者53人を対象としていますが、やむを得ず第4回会議に欠席した人でそれまでの会議に2回以上出席した人にも郵送での回答をお願いし、そのうち12人から回答をいただいています。
「❶10の分類ごとに、どちらの場所のほうがよいと思いますか」との質問では、「①活性化」「⑤アクセス」については「明らかに駅前がよい」、「➃周辺環境」「➅安全」については「どちらかといえば駅前がよい」とする人が最も多く、「➇土地」「➈駐車場」については「どちらかといえば病院側がよい」とする人が最も多くなりました。
「❷10の分類で重要と思うものに5位まで順番をつけてください」との質問では、重要と思う分類について1位から5位までの人数の合計を集計したところ、重要視された分類の上位五つは、「⑤アクセス」56人、「①活性化」51人、「➅安全」42人、「➃周辺環境」40人、「➈駐車場」34人となりました。
この結果から、重要視された5分類のうち「①活性化」「⑤アクセス」については「明らかに駅前がよい」、「➃周辺環境」「➅安全」については「どちらかといえば駅前がよい」、と4分類において駅前が評価され、総合花巻病院跡地については、「➈駐車場」についてのみ「どちらかといえば病院側がよい」と評価されたことが分かりました。
なお、重要視された5分類について、その分類が重要と考えた理由をAIを活用してまとめた結果は次のとおりです。
⑤アクセス…「駅前はバスや電車などの公共交通機関が整っていて行きやすい」「高齢者や学生にも利用しやすい場所が駅前である」
①活性化…「新しい図書館ができることで駅前が活性化し、花巻の印象がよくなる」「観光客や花巻市民が利用しやすく、町の発展につながる」
⑥安全…「駅前は交番が近く、明るく夜間も安心」
④周辺環境…「駅前は人通りが多く、夜でも明るくて安心できる」
⑨駐車場…「病院跡地は広く駐車場の確保が容易」
❶10の分類ごとに、どちらの場所のほうがよいと思いますか

※無回答が1人
❷10の分類で重要と思うものに5位まで順番をつけてください

※5位まで記入されなかった回答もあります
市民会議の結果を踏まえて
市は花巻駅前を建設候補地として選択
市では、このような市民会議での意見を踏まえ、多くの市民に利用され、花巻市全体の活性化にも寄与することが期待される「JR花巻駅前」を建設候補地として選択し、新花巻図書館整備基本計画を策定したいと考えています。
市民に親しまれる図書館を目指して
市では、JR花巻駅前を建設候補地として選択して基本計画を策定したいと考えていますが、市民会議で出された病院跡地がよいとする意見の中で「駐車場が使いやすい」「静かな環境である」などの意見もあったことから、それらの意見を踏まえて新花巻図書館を整備できるよう検討します。
また、JR花巻駅前に新花巻図書館を整備するに当たり、整備内容について引き続き市民の声を聞く機会を設けるなど、市民の意見を反映させながら進めていきます。
今回の市民会議を含め、今までの市民の意見などを参考にして市が取りまとめる新花巻図書館整備基本計画案について、3月下旬からのパブリックコメント、4月中旬の市民説明会などを経て、基本計画を最終決定していきたいと考えています。
比較調査結果について
新しい図書館の建設候補地については、これまで行ったワークショップや会議から「花巻駅前」と「総合花巻病院跡地」の2か所に絞られてきましたが、令和4年度に開催した市民説明会では「それぞれの候補地に整備する場合の事業費の比較検討なしには、建設場所について判断できない」という意見をいただいたため、それぞれの候補地について事業費やイメージパースを作成する比較調査を行いました。
この比較調査では、候補地ごとに複数の配置案を検討しました。
配置案の検討にあたっては、まず、新しい図書館の来館者数の目標や、今ある周辺の駐車場の空き状況などを確認し、新しい図書館を整備する場合に何台の駐車場が必要になるのか、駐車需要推計を行いました。
駐車需要推計で検討した駐車台数について、平面駐車場として整備するか、立体駐車場として整備するかという検討や、図書館の階数をどうするかといった組み合わせを「ゾーニングプラン」として整理し、さらにそこから、法規制等を踏まえてより詳細な配置計画(土地利用計画)を検討するなかで、すべての配置案について、概算事業費の整理を行いました。
その中から比較調査では、可能性のある3案(駅前2案、病院跡地1案)についてイメージパースを作成しましたが、概要版資料の作成にあたっては、図書館の使いやすさから、2案を掲載し、その他の配置案については参考資料として掲載しました。
1.駐車需要推計
- 新花巻図書館の来館者目標に基づく必要駐車台数の検討
- 建設候補地の周辺施設利用における必要駐車台数への影響検討
- 新花巻図書館の駐車必要台数の策定

2.図書館事業費等の比較
- 建設候補地の現況整理
- 新花巻図書館整備基本計画(試案)の検証
- ゾーニングプランの検討
- 土地利用計画図の作成
- 建物基本計画の検討
- 概算事業費の作成
- イメージパースの作成

業務報告書の作成・納品
1.駐車需要推計
まず、新花巻図書館に必要な駐車台数は、「大規模開発地区関連交通計画マニュアル改訂版(国土交通省」及び「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針(経済産業省)」を参考に、花巻市の実情にあわせて、以下のとおり算出しました。
項目 | 平日 | 休日 | 備考 | ||
A | 来館者目標数(人) | − | 1,200 | 1,800 | 利用登録率の目標(全国の貸出密度上位の自治体と同程度)及び他市先進図書館の利用状況等から |
B | ピーク率(%) | (ピーク1時間あたりの来館者数)/(日来館者数) | 13.6 | 14.4 | 現花巻図書館の曜日別時間帯別利用統計(H28~R1、R5年度)から |
C | 自動車分担率(%) | (自動車による日来館者数)/(日来館者数) | 79.6 | 81.5 | 現花巻図書館の利用状況調査(R1年度)から |
D | 平均乗車人員(人/台) | (自動車による日来館者数)/(日来館自動車数) | 1.16 | 1.52 | 現花巻図書館の利用状況調査(R6年度)から |
E | 平均駐車時間係数 | (平均駐車時間)/60分 | 0.91 | 0.91 | 現花巻図書館の利用状況調査(R5年度)の結果に 新花巻図書館の整備による滞在時間の増加を考慮 |
駐車台数(台) | 102 | 126 |
項目 | A 来館者目標数(人) |
平日 | 1,200 |
休日 | 1,800 |
備考 | 利用登録率の目標(全国の貸出密度上位の自治体と同程度)及び他市先進図書館の利用状況等から |
項目 | B ピーク率(%) |
(ピーク1時間あたりの来館者数)/(日来館者数) | |
平日 | 13.6 |
休日 | 14.4 |
備考 | 現花巻図書館の曜日別時間帯別利用統計(H28~R1、R5年度)から |
項目 | C 自動車分担率(%) |
(自動車による日来館者数)/(日来館者数) | |
平日 | 79.6 |
休日 | 81.5 |
備考 | 現花巻図書館の利用状況調査(R1年度)から |
項目 | D 平均乗車人員(人/台) |
(自動車による日来館者数)/(日来館自動車数) | |
平日 | 1.16 |
休日 | 1.52 |
備考 | 現花巻図書館の利用状況調査(R6年度)から |
項目 | E 平均駐車時間係数 |
(平均駐車時間)/60分 | |
平日 | 0.91 |
休日 | 0.91 |
備考 | 現花巻図書館の利用状況調査(R5年度)の結果に 新花巻図書館の整備による滞在時間の増加を考慮 |
駐車台数(台) | |
平日 | 102 |
休日 | 126 |

最終的に、花巻市と人口規模が近く、新花巻図書館と同規模の図書館を整備した他自治体の整備事例では、111台が平均になることも考慮し、新花巻図書館に必要な駐車場台数の目安を120台としました。
新花巻図書館に必要な
駐車場台数の目安
およそ120台
2.図書館事業費等の比較
比較調査報告書では、JR花巻駅前と総合花巻病院跡地の案を合わせた12案について、それぞれの配置や事業費を積算しました。事業費の観点から3つの配置案についてイメージパースを作成しておりますが、さらに図書館の使いやすさの観点から、図書館は2階建てとし、JR花巻駅前と総合花巻病院跡地に建設する2案を比較することにしました。
※検討した配置案については、下記の概要版・報告書をご覧ください。
JR花巻駅前
駅に隣接するスポーツ用品店と多目的広場の一部を使って、2階建て図書館を建設する案です。駐車場は、図書館の南側に38台新設します。
花巻駅南第2駐車場は、西側の市道を駐車場の敷地に含めて改修し、駐車台数を60台増設。全体で98台分を新たに確保します。現在の花巻駅南駐車場の稼働状況を確認したところ、収容力181台に対し60台程度の空きが日常的にみられることから、駐車必要台数である120台をカバーできます。
事業費は、JR東日本からの土地購入費と既存建物の解体費、線路保守管理用の入り口設置費を含めて、総額約39.9億円と算出しました。

事業費の内訳

概算事業費 約 39.9 億円


総合花巻病院跡地
総合花巻病院跡地の盛土をしていない北側で急傾斜地などの法規制がない場所を使って、2階建て図書館を建設する案です。
駐車場は、建物の南側に118台新設。芝生広場も建物に隣接して整備します。
北側や東側斜面は、急傾斜地崩壊危険区域などとなっているため、現状では建物を建てることはできず、立ち入りも制限されます。また、斜面の一部は花巻城の堀跡にもなっているため、斜面は芝生などで緑化して保全します。
事業費は斜面の緑化費用なども含めて、総額約36.3億円と算出しました。

事業費の内訳

概算事業費 約 36.3 億円


※あくまで現時点でのイメージであり、外観を含めて、今後、設計により変更します
比較調査結果に関する市民説明会
市内4地域において市民説明会を開催しました。
日にち | 時間 | 場所 | 参加人数 |
2024年 11/10(日) |
14:00~15:00 | 生涯学園都市会館(まなび学園) 2階AVルーム |
52人 |
11/11(月) | 18:30~19:30 | 大迫交流活性化センター 大会議室 |
9人 |
11/12(火) | 18:30~19:30 | 東和コミュニティセンター 多目的ホール |
25人 |
11/14(木) | 18:30~19:30 | 石鳥谷生涯学習会館 3階大会議室 |
16人 |